『ルラルさんのぼうえんきょう』 いとうひろし、ポプラ社、2015 amazon
ある星のきれいな夜、ルラルさんは動物たちと、望遠鏡をのぞきます。流れ星が丘の向こうへ落ちていったそのとき、望遠鏡をのぞいていたねこが手招きをしました。
おそろしい顔がのぞく望遠鏡を見て、ルラルさんはびっくり!「うちゅうじんだ。うちゅうじんだ」と、みんな口々に叫びます。もしかして、さっきの流れ星は宇宙人の円盤!?
ルラルさんたちは、丘の上まで宇宙人を探しに行くことにしました。さて、ルラルさんたちは、宇宙人と出会うことはできたのでしょうか?
ルラルさんと一緒に、冒険に出かけたくなる!
表紙では、ルラルさんと動物たちが、なかよく望遠鏡や双眼鏡をのぞいていて、これだけでも、とても楽しい気分になります。
さらに、注目したいのが、絵本の文章です。たとえば、ルラルさんが、最初に望遠鏡をのぞく場面では、「ほしぞらに ちりばめられた たくさんのものがたりと いっしょに うちゅうのはてまで とんでいくような きもちです」と書かれています。
表現力豊かなことばに、わくわくしてしまいますね。
また宇宙人について、ああでもない、こうでもないと言い合う場面では、「ちきゅうを せいふくしにきた わるい うちゅうじんかもしれません。みんなと ともだちに なりにきた やさしい うちゅうじんかもしれません」と、読者の想像力をかきたてます。
気づいたら、ルラルさんの周りにいる動物たちと同様に、読者もルラルさんの仲間になって、冒険に出かけたくなる一冊です。
にこっとポイント
- ルラルさんの仲間になりたくなる、とてもわくわくする絵本です!
- 「ルラルさんのえほん」シリーズには、『ルラルさんのぼうえんきょう』の他に、『ルラルさんのにわ』『ルラルさんのバイオリン』『ルラルさんのごちそう』『ルラルさんのじてんしゃ』『ルラルさんのほんだな』『ルラルさんのたんじょうび』『ルラルさんのだいくしごと』が出版されています(2019年10月現在)。
(にこっと絵本 SATO)