
『ぽんぽこあめふり』田中友佳子作・絵、徳間書店、2023 amazon
こだぬきのぽんたが、森の広場で友だちと遊んでいると、突然雨がザーザー降ってきました。みんなは、急いで自分の家に帰っていきますが、ぽんたは、まだ遊び足りません。
そんなぽんたに、頭に傘をかぶった男の子が声をかけてきました。
びっくりしたぽんたが、誰なのかと聞くと、「あめふりこぞう。ぼく、あめが だいすきなんだ。ねえ、あそぼうよ」と言われ、ぽんたは大喜び!
ふたりが大きな水たまりにポチャンポチャンと飛び込んだり、笹船を作ったりして遊んでいると、池の中から「かっぱ」が現れました。
かっぱの提案で、今度は相撲を取ることになり、3人は泥だらけになってしまいます。でも、あめふりこぞうが呪文を唱えると、雨が激しくなり、泥を落としてくれました。
その後、3人がひと休みしていると、黒い雲が近づいてきて……、今度現れたのは……?
突然雨が降ってきて外遊びが中断してしまい、ぽんたみたいに、ガッカリした経験のある人は多いのではないでしょうか。
この物語では、雨の中、ぽんたたちがいろいろな遊びをします。登場人物がそれぞれ表情豊かにいきいきと描かれているので、読者も一緒にみんなと遊んでいるような気分になれます。
また、水たまりで遊ぶときの「パチャパチャ ピッチャーン ポチャンポチャン!」、どろんこ相撲をしたときの「ドシャン ベチャン ジャボン ズブズブズブ バッシャーン!」など、オノマトペもユーモラスで、声に出して読んでも楽しいです。
斜めに降ったり、とても激しく降ったり……、場面ごとの雨の表現にも注目です!
読むとスカッと気分も晴れる物語なので、思い切り外で遊ぶことができない雨の日におすすめの絵本です。
にこっとポイント
- こだぬきのぽんたが、雨の中出会った「あめふりこぞう」や「かっぱ」たちと仲良く遊ぶ物語です。
- 『こんたのおつかい』や『かっぱのかっぺいとおおきなきゅうり』等で、いろいろな妖怪を描いてきた田中友佳子さん作の絵本です。親しみやすい絵なので、怖い妖怪が苦手な子でも、安心して読むことができます。
(にこっと絵本 SATO)