PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本

幼児さんが大好きな「いないいないばあ」。この遊びをテーマにした作品は数々あれど、これほどまでに予想を裏切られることは、ありませんでした。

『いないいない ぞう!』。おめめ真ん丸の可愛らしい象さんが表紙の、この作品。

いないいないぞう!

『いないいない ぞう!』大塚健太文、山村浩二絵、岩﨑書店、2024 amazon

さて象さんが、「いない いない・・・」。パッとめくると「ぞう!」と、元気いっぱいに笑っています。

次のページをめくると、今度はねこさんが「いない いない・・・」。

予想では「ねこ!」となりそうなのですが、それがこの本の面白いところで、パッとめくると、やっぱり「ぞう!」なんです。

カエルが住む池。空高く打ちあがる花火。ポンポン弾けるポップコーン。

全部「いない いない・・・」「ぞう!」となるおもしろさ。

実際におはなし会で読むと、子どもたちよりも、大人がまず大喜びして、大人がケタケタ笑っているのを見た子どもたちも、つられて笑う、という感じでしょうか?

いないいないばあは、「こうなるだろうなぁ」という予測があるから楽しめるもの。それを見事に裏切ってはいますが、タイトルは『いないいない ぞう!』な訳ですからそのまんま?

いたずら心が満載の「いないいないばあ」遊びなのでした。

にこっとポイント

  • 予想を裏切るおもしろさの「いないいないばあ」絵本。大人も大喜びのおもしろさです。
  • いないいないばあを楽しむコツは、「タメ」。「いないいない~……」と溜めてから、ページを繰ってください。楽しさが倍増です。

(にこっと絵本 森實摩利子)

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