12月のある日、神さまが考えたのは、大勢の動物たちが遊びに来てくれるよう、ごほうび付きのごちそう大会を開くこと!
『十二支のはじまり』荒井良二 絵、やまちかずひろ 文、小学館 amazon
『十二支のはじまり』は、「干支ってなあに?」「十二支にはどんな動物がいるの?」と十二支に興味を持ち始めた子どもと読みたい絵本。動物たちが順々に神さまのところへ到着する様子や、ねこが十二支に入れなかった理由などが、分かりやすいことばと明るい絵で、ユーモラスに描かれています。
荒井良二さんの描く神さまや動物たちは、ごちそうと聞いてよだれをたらしたり、汗をかきながら必死で走ったりと実に素直。子どもたちは、そんなありのままの姿に、大笑いしながら喜びます。
小さな子は、表紙でもある干支の順番と動物がひと目で分かる絵を、「ね・うし・とら……」と指でたどりながらにこにこ。少し大きくなった子は、「まえには かめに まけたけど、こんどは うしに まけたのか」といううさぎのつぶやきや、犬猿の仲の2匹の間に割り込むにわとりの「けんかは もう けっこう」に、ニヤリ。
それぞれの年齢によって楽しめるポイントがあるようです。
私はといえば、終始漂うゆる~い感じや、世界がはじまったばかりという空気に満ちた多国籍な景色に惹かれています。年末年始はどうしても忙しくなりがちですが、こんなお正月もいいな、と思うのです。
十二支のお話は、元になっている昔話そのものに地域差があるので、絵本も多種多彩です。ぜひいろいろと読み比べてみてください。中でも優しい雰囲気の『十二支のはじまり』は、十二支に興味を持ったばかりの小さな子、昔話の雰囲気が苦手な方にも読みやすい絵本です。
にこっとポイント
- ふわっと明るい雰囲気なので、十二支に興味を持ったばかりの小さな子、昔話の雰囲気が苦手な方、クリスマスプレゼントにもおすすめです。
- いろいろな十二支の絵本があるので、ぜひ読み比べてみてください。
(にこっと絵本 高橋真生)