2011年3月11日の東日本大震災から、9年が経ちました。未だに苦しい思い、悲しい思いを持って生活しておられる方々が大勢いらっしゃることと思います。その大きな傷が癒えないうちに起こった、この度の新型コロナウィルスの蔓延。今も、私たちは見えない敵、そして不安と戦っています。
震災後、一人でも多くの子どもたちに再び笑顔と希望を取り戻してもらおうと、岩手県釜石市の甲子(かっし)地区に、大きな壁画のある素晴らしい公園ができました。
町の人々も協力して公園作りに精を出し、一人の画家さんを中心に壁画も完成させました。
その始終を描いたのが、この絵本『あしたがすき』です。
『あしたがすき』指田和文、阿部恭子絵、ポプラ社、 2016 amazon
震災は忘れてはいけないことですし、今の世界の状況を考えれば、希望を持つことと、その実現に向かって力を合わせることは決して無駄ではない、と私は考えます。
さて、では、どのような希望を持ったらいいのでしょうか?
ちょっと前までの生活に戻りたい、幼稚園・保育園、学校へ行きたい、お友達と思いっきり外で遊びたい……。欲張らずに小さな希望を持ちたいものです。
こすもす公園は、一人の女の子の小さな希望から生まれました。あなたの希望は、何ですか?
にこっとポイント
- 実話に基づいたお話が絵本になりました。登場している方々も実在の方々です。
- 絵がカラフルで力強く、読んでいて励まされます。
- 「こすもす公園 希望の壁画プロジェクト」については、こちらでもご覧いただけます。→ 創作農家こすもす
(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)