どんな自分のことも好き― こういう感情を自己肯定感と言いますが、説明するとなるとなかなか難しいものです。
『ぼくだけのこと』は、そんな難しい内容をやさしく教えてくれる作品です。

『ぼくだけのこと』森絵都作、スギヤマカナヨ絵、理論社、2003 amazon
※偕成社版(2013)もあります。 amazon
この絵本が伝えているのは、「できるからすごい」ではなく、「そのままで、すでに大切」という感覚。
きょうだいの中で、一人だけえくぼができたり、蚊にさされたりするぼく。


仲良しの友だちの中で、一人だけ逆立ちができるぼく。
学校で一人だけ貧血で倒れちゃったぼく。
足が速い子もいれば、絵を描くのが好きな子もいる。でも、世界中を探しても、ぼくと同じ人はいない。これって、すごいことです。
「ぼくだけのこと」があるという事実。
自己肯定感は、がんばった結果として手に入るものではなく、「自分を知ること」から育っていくもの。
好きなことも、ちょっと苦手なことも、「それがぼく」と言えたときに、心の中に小さな安心が生まれるのです。
この絵本は、比べることよりも、「違いをそのまま見つめること」を教えてくれます。
にこっとポイント
- 自己肯定感について、やさしく教えてくれる絵本です。
- 入学や進級の季節。世界が広がる今だからこそ「自分っていいな」と思える種を、そっと心に植えませんか? お守りのようなこの一冊をぜひお手元に。
(にこっと絵本 森實摩利子)









