ひつじの群れの中で、たった一匹、下を向いて草を食む毎日に疑問を持った女の子がいました。
彼女の名はメェーリンダ。
ふと見上げた空に浮かぶ「ひつじぐも」を遠い仲間だと信じた瞬間から、彼女の本当の物語が始まります。

『ひつじのメェーリンダ』マヌエラ・サルヴィ作、ルーシー・ミュレロヴァ絵、鈴木敦子訳、岩崎書店、2008 amazon
本作は、2008年度いたばし国際絵本翻訳大賞(イタリア語部門)を受賞しています。
単なる「かわいい動物の絵本」に留まらない、人生の歩み方について問いかけてくるような絵本なのですが、今回は、特に注目したい2つのポイントからその魅力をご紹介します。
1. 安定を捨ててでも挑む! 強い「チャレンジ精神」
メェーリンダが、ひつじにとって当たり前の、地面で草を食む生活に疑問を持ち、空に近づくために選んだのは、一本のりんごの木の上で暮らすという、誰も思いつかないような風変わりな生活でした。
驚くべき、その型破りな行動力! 周囲から冷ややかな目で見られたとしても、彼女は決して目標を諦めません。
時に涙をこらえながらも、安定した日常を捨てて夢を追い続けた先に待っているのは、最高に晴れやかな結末です。
メェーリンダの姿は、現状に満足せず「もっと広い世界を見たい」と願うすべての人へのエールになっています。純粋な願いを叶えようと努力する、微笑ましくも力強い姿が胸を打ちます。
2. イタリアの感性が光る「圧倒的な色彩の美しさ」
本作は、そのビジュアルの美しさも大きな見どころです。
ふわふわとしたメェーリンダの毛並み感、広大な草原の緑、メェーリンダを取り囲む鳥たち、そして彼女の住処となるりんごの木の色彩。
ページをめくるたび、イタリアの絵本らしい豊かで鮮やかな色彩が目に飛び込んできます。
見上げる勇気が、世界を塗り替える
『ひつじのメェーリンダ』は、「強く願えば、夢はきっと叶うんだ」ということを、優しく教えてくれる絵本です。
毎日をがんばるあなたに、一歩踏みだす勇気を届けてくれますよ。
にこっとポイント
- 勇気を出して、当たり前の毎日から一歩踏み出すメェーリンダの姿は、新しい環境に飛び込もうとする私たちの背中を、優しく、そして力強く押してくれます。
- イタリアの感性が息づく鮮やかな色彩の絵柄に、思わず時間を忘れてうっとり見惚れてしまいます。
(にこっと絵本 Haru)









