世界で愛されているペク・ヒナ作『あめだま』。

『あめだま』ペク・ヒナ作、長谷川義史訳、ブロンズ新社、2018 amazon
ひとりでビー玉遊びをするのが好きなドンドンが、文房具屋で見つけたあめだまを食べてみると、ソファーや犬のグスリの声が聞こえてきて…… という、あのお話です。
ですが。今回ご紹介する手にすっぽり入る小さいこの絵本に、そのあめだまの製造法が、描かれているらしい。これは、読まなきゃでしょ! でも、韓国語かよ!! (まだ日本では出版されていないため)
といった興奮を胸に抱きつつ、再び私・森島が、ハングルを読み解き、ご紹介します。
※以下、韓国語の絵本を筆者が翻訳してご紹介しているものです。いろんな方のお力をお借りしました!

『あめだまの作り方』作者、Storybowl、2024 楽天
では、読んでいきましょう。『あめだまの作り方』。
ハラボジ(おじいさん)の準備は入念で、まず、ヨガで身体を整えます(ハラボジとはとても思えない体幹が素晴らしい)。
また、お清めなのか…… お風呂に入る場面があります。
それから、やっとあめ玉を作る作業に入ります。
まず、大きな鍋に澄んだ水を入れ、自宅で一番高いところに置く。
そのとき、星が輝いているか、確認します。お鍋の中に星が浮かぶように、角度の調整をし、それが終わると、そのお鍋を絹の風呂敷でしっかりと包むのです。
そして、ハラボジの可愛い友だちに、お鍋の上を押すように頼んで…… と、さまざまな工程を経て、あめだまは作られます。
が。ここで疑問が! なぜ、ハラボジはこの飴を作ったのか? ということです。
調べたら、そもそも作者が『あめだま』を制作したきっかけが、お子さんが友だちのことで悩んでいたということのよう。
ハラボジは、ことばにして気持ちを伝える大切さ、人や物の気持ちの想像するお手伝いをしていたのかと、私は想像しています。
大人が「あめだま」になれれば…… 子育て世代の方に特におすすめ!
『あめだまの作り方』は、実は、「赤ちゃんでも絵本が持てるように」と作られた絵本です。
でも、個人的には、子育て世代の親御さんにいいのではと思っています。
私は、小学校の読み聞かせをしていまして、お母さん・お子さん・私の3人で話す機会があったのですが、私がお子さんに話しかけても、お母さんがお子さんの言いたいことを先回りして返事をし、結局お子さんが話せなくなってしまった、ということがありました。
大人は、子どもが言いたいことを言う機会を奪うことはせず、子どもの意見や、話をしようとするその勇気を、温かく見守ってほしいと感じました。
それは、「あめだま」の役割を大人がするということ。そして、子どもの背中を優しく押してほしいと思いました。
さて、みなさん、『あめだまの作り方』はまだ日本語では読めませんが、もう一度『あめだま』をお読みになりませんか?
ハラボジが熱心に作った「あめだま」とその思いを想像したら、また違う『あめだま』に出会うかもしれませんね。
にこっとポイント
- ことばで気持ちを伝えること、他者へ温かい気持ちを持つこと、そして見守ることなどを教えてくれる、大人気の『あめだま』スピンオフ絵本です。
- まだ日本語版が出版されていませんが、あらすじを押さえつつ、絵を見てから『あめだま』を読み返すと、また違う『あめだま』に出会えるかもしれません。
(寄稿:絵本専門士<沖縄県> 森島幸代・えほん とんとんみーず)









