PICK UP! 大人も読みたい絵本

ある晩、「お月さまと あそびたいな」と考えたモニカは、パパに言いました。

「パパ、お月さま とって!」

パパ、お月さまとって!
『パパ、お月さまとって!』エリック・カール作、もりひさし訳、偕成社、1986 amazon

パパは、ながーいながいはしごを持ってきて、たかーいたかい山のてっぺんにはしごをかけて、上へ上へとのぼっていきました。

さて、その後、モニカの願いは叶ったのでしょうか。

『パパ、お月さまとって!』は、絵本の画面を上下左右、大きく開きながら楽しめる、エリック・カールのしかけ絵本。月の満ち欠けのサイクルにも触れながら、親子で盛りあがれます。

大切なあなたへ― 無償の愛を伝えたい

「お月さまとって!」と、子どもから言われたら、皆さんはどうするでしょうか。

絵本に書かれた作者コメントによると、実はこれ、エリック・カールが幼い娘さんに言われたことばなのです。そのとき彼は、月の大きさや距離について説明しようとしたものの、幼い娘さんがよく理解できなかったため、翌日<月の本> をいくつか描いてみたそうです。

そして、月日を経たある日のこと、28歳になった娘さんから、こんな手紙がきたのです。

ここのところ、毎日とてもゆううつなので、パパの<月の本> のスケッチをみていました。するとあの長いはしごを、私の<気持ち> がどんどん登っていってね…… 今ではとても気分そう快です。

パパ、お月さまとって!_ 中ページ

この手紙をきっかけに生まれたのが、本作です。

常識で考えたら、お月さまをとってもらうなんて、絶対無理なこと。でも、この絵本ではモニカになったつもりで、パパが自分の願いを叶えるために頑張ってくれる、という姿を見ることができます。

わが家で子どもたちとこの絵本を読むときには、「ながーいながいはしご」を使って、「たかーいたかいやま」より高く、「うえへうえへ」のぼっていくぐらい遠いところまで行くくらい、あなたのために頑張れちゃうんだよ、と伝えるつもりで読んでいます。

どんなに無理に思えても、大変でも、子どもたちの願いが、パパとママの原動力。そんな無償の愛を、果てしなく遠いお月さままでのぼっていく「パパ」の姿が伝えてくれ、読む人の心を満たしてくれるのだと思います。エリック・カールと娘さんがそうだったように。

絵本を読み終えたときの子どもたちの心も、最後にまた大きく大きくなったお月さまのように、きっと大きく満たされたものになっているはずです。お子さんに愛を伝えたいときに、手にとってほしい絵本です。

にこっとポイント

  • 縦に、横に、四方に広がるしかけに、読みながら子どもは歓声をあげて盛り上がります。ぜひ、親子でページをめくり広げる楽しさを味わいながら読んでみてください。
  • 大きく広がるしかけや、ストーリーを通して、自然と月の満ち欠けや、月の大きさ、月との距離を知ることができます。
  • パパが主人公の絵本。お仕事で忙しくても、どこにいても、君のために頑張るよという思いを伝えることができます。パパの読み聞かせにも最適です。


(にこっと絵本 Haru)

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