いつも通っていた幼稚園や学校。昼間は明るくてにぎやかな場所が、夜はどんな様子になっているんだろう、と想像したことはありませんか?

今回ご紹介する絵本には、誰もいなくなった夜の幼稚園が、表情豊かに描かれています。

よるのようちえん

『よるの ようちえん』谷川俊太郎 ぶん、中辻悦子 え・しゃしん、福音館書店  amazon

誰もいなくなった幼稚園。そこへ「そっとさん」が「きょろきょろりん」と顔を出します。すると、「すっとさん」が「すっとんとん」とやってきて、「さっとさん」「じっとさん」「ぜっとさん」と、仲間たちが次々と登場し、それぞれが幼稚園の中を楽しそうに遊びまわります。

谷川俊太郎さんのことばのリズムから広がる想像

『よるのようちえん』一番の魅力は、楽しいことばのリズム。「ぴぽぺてぽ」「もなもなみねむ」など、大人も読んでいて何度も口に出してしまいたくなるようなことばがたくさん出てくるのです。

「さんにんで こぺらけぺら」なんて、「えっ何をしているんだろう!?」とついつい気になってしまいます。子どもたちに聞いたら、なんと答えてくれるでしょうか。一人一人の想像も膨らみそうですね。

写真と絵の融合が魅せる不思議の世界

『よるのようちえん』は、実際の幼稚園の写真に、鮮やかな色で「そっとさん」たちの姿が描きこまれています。現実と不思議の世界の境界が曖昧になった瞬間が捉えられていて、ページを眺めているだけで異世界に迷い込んでしまったような感覚に陥ります。

絵と写真を手掛けた中辻悦子さんは、この絵本で、絵本画家に贈られる国際的な賞の一つであるブラスティラヴァ世界絵本原画展でグランプリを受賞しているんですよ(1999年)。

『よるのようちえん』、最後のお楽しみは?

「さよよんなららーん」と響く「そっとさん」の最後のことばの後には、谷川俊太郎さんの息子さんの、谷川賢作さん作曲による楽譜が巻末に載っています。みんなで歌えば、きっと大盛り上がり。読後まで、絵本の世界を満喫できるようになっています。

にこっとポイント

  • どんどん口に出したくなる、ことばの遊び。谷川俊太郎ワールドを満喫できます。
  • 不思議なことばから、「そっとさん」たち、一人一人はどんなキャラクターなのかな?と想像を巡らせるのも楽しいです。
  • 慣れ親しんでいるはずの場所がなんだか特別な場所のように感じられ、読んだ後には幼稚園に行くのが楽しみになってしまうかも!?

 

(にこっと絵本 Haru)

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