PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本
しおかぜにのって

『しおかぜにのって』かじりみな子、偕成社、2020 amazon

ある夏の日。うさぎのラビッタちゃん一家に、遠くに住むじいじとばあばあから、お手紙が届きました。そこには、もうすぐ生まれる赤ちゃんに会いに行くから、「ぺっかぽっかじま」の空港まで迎えにきてほしいと書かれています。

でも、お父さんは、お母さんのそばを離れることができません。そこで、ラビッタちゃんと妹のピョコラッタちゃんが、空港まで、二人を迎えに行くことになりました。

次の朝、町へやってきた二人は、灯台の船着き場まで馬車に乗り、船着き場からはカヌーで海を渡ります。

しばらくカヌーをこぎ進めた後、「ちょっと ひとやすみしよっか」と、ラビッタちゃんがリュックサックの中をごそごそ探している内に、カヌーのオールが流れてしまって……。

ふたりは、小さなカヌーで、海を渡りきることができるのでしょうか。そして、無事、空港でじいじとばあばに出会えるのでしょうか。山を越え、海を渡って、うさぎの姉妹の冒険物語です。

さて、この絵本には、見どころがたくさんあります。

まず、主人公のラビッタちゃんとピョコラッタちゃんが、とってもかわいいです! 青色と赤色の服も、よく似合っていて、親しみを持てます。

また、町へ行く場面や空港の場面などは、しまうまやキリン、ブタやクマなど、さまざまな動物が登場して、わくわくします。

しおかぜにのって_中ページ

ちなみに、その動物たちと比べると、ラビッタちゃんとピョコラッタちゃんは、本当に小さいことが見て取れます。そうすると、ますますふたりを応援したくなります。

さらに、お父さんをはじめとする周りの大人たちの協力で、二人がハプニングを乗り越えて、空港へ向かって進んでいく姿に、あたたかい気持ちになれる物語です。

にこっとポイント

  • ラビッタちゃんが妹と一緒に、じいじとばあばを空港まで迎えに行く物語です。
  • ラビッタちゃんはシリーズものです。ほかには、『ゆきがふるまえに』『わかくさのおかで』『こおりのむこうに』等があり、季節に合わせて読むにもおすすめです。

(にこっと絵本 SATO)

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