『みんなのはなび』おくはらゆめ作・絵、岩崎書店、2012 amazon
暗い夜、動物たちがみんなで夜空を見ていると…… ドーンドーンと音がして、「ひゅう〜ひゅるるるん パンパンパーン」空がいろんな色で光りました。
タヌキのボーちゃんは、「おったまげた〜」と、すこおしだけ、おしっこを漏らしてしまいました。
でも、ずうっと花火を見ていると、目の中まで光が入っていたようでめんたまがチカチカしてくるのでした。
おれ、はなびに なってしまいそう
花火に出会った興奮のままに、動物たちは、夜空の花火になってみます。
夜空で光る「みんなのはなび」。鮮やかでさまざまな花火が上がります。
おったまげた〜! 「花火になってみた」動物たちと子どもたち
はじめての、興奮するような体験に出会ったとき、子どもたちの目が輝いているのを見たことはありますか?
「うわー! やってみたい! なんて楽しいんだ!」なんとも嬉しそうに、弾けるように、子どもたちはそれに向かっていきます。
この絵本の動物たちも、夜空にあがる花火に出会って、めんたまがチカチカするほどの衝撃を受けます。
そして、体が光ってくるようで、夜空に上がって「ひゅう〜ひゅるるるん パンパンパーン」― 本物の花火と一緒に夜空で弾けるのです。
作者のおくはらゆめさんの描く花火は、とても鮮やかで、楽しげです。絵本をめくっていると、ああ、こんな感動と興奮を子どもたちに味わわせてあげたいなぁ、と思います。
夢中になって、光って、弾けて― 皆さんの夏は、そんな経験をした、夏だったでしょうか。これから出会う経験かもしれませんね。
子どもたちの「めんたまチカチカキラキラ」を見逃さないように。願わくば、子どもたちが花火のように弾け光る姿に立ち会えますように。
そんなふうに思う、夏の終わりに読む、鮮やかでとっても楽しい絵本です。
にこっとポイント
- 鮮やかな花火に夢中になる動物たちの姿に、読んでいる自分まで楽しくゆかいな気持ちになってきます。自分も花火になって夜空で弾けてみたい! そんな大人にとっては荒唐無稽な願いも叶えてくれる絵本です。
- 花火に出会って興奮する動物たちの姿に、子どもたちの姿を重ねて読むこともできます。その目の輝き、弾けるような興奮と体験を大事にしたいな、と感じさせられます。
(にこっと絵本 Haru)