『氷上カーニバル』は、北海道札幌市で昭和の初めから終わり頃まで、実際に行われていた冬のお祭りを、著者・あべ弘士さんが、素敵な絵と共に描いた創作絵本です。
『氷上カーニバル』あべ弘士、のら書店、2020 amazon
長い冬の終わりに開かれる「氷上カーニバル」。子どもも大人も仮装して、氷の上を滑ります。
「パンッ パパーンッ パパパーンッ」と、一斉に花火が打ち上げられたら、氷上カーニバルの始まり。
スケートリンクのまわりは、豆電球やかがり火やいろいろな国の旗でいっぱい。その真ん中では、音楽団の人たちが演奏します。
絵本のサイズは縦19cm× 横27cmで、見開き左ページの半分が文のスペース、他は、左右のページにつながった絵が描かれています。どのページも、横長の形態を、うまく利用しているので、カーニバルが行われているスケートリンク全体の雰囲気が、よくつかめます。
夜のカーニバルが舞台ですが、絵は、とてもカラフルで美しく、登場人物もいきいきと描かれているので、絵本を見るだけで「氷上カーニバル」の楽しさが伝わってきます。
子どもも大人も、お面やきらきらした服で仮装して、スケートリンクをぐるぐるぐるぐるまわっているのを見て、主人公の「わたし」は、「ここはどこなの?」と思うのですが、読者も、「わたし」と同じ目線で、この「氷上カーニバル」に参加している気分になれますよ!
にこっとポイント
- 札幌で実際に行われていた「氷上カーニバル」を、あべ弘士さんが描いた創作絵本です。
- 絵と文から、華やかな氷上カーニバルの楽しさが、読者にも伝わってきます。裏見返しでは、実際の氷上カーニバルの写真も、見ることができます。
(にこっと絵本 SATO)