『おじいちゃんのコート』ジム・エイルズワース文、バーバラ・マクリントック絵、福本友美子訳、ほるぷ出版、2015 amazon
おじいちゃんは、洋服の仕立て屋さん。おばあちゃんと結婚するときに、立派なコートを作って、結婚式に着ていきました。
それからは、どこへいくにも、なにをするにもそのコートを着ていましたが、次第にぼろぼろに。
そこで、おじいちゃんは、仕事にとりかかります。
「はさみでチョキチョキ、ミシンでカタカタ、針でチクチクぬったらば」― すてきな上着のできあがり!
その上着を、どこへいくにも、なにをするにも着ていたところ、今度は上着がぼろぼろになってしまいました。さて、おじいちゃんは、どうしたでしょう。
毎回わくわくする、無駄のないリメイク!
おじいちゃんのコートは、上着になり、ベストになり……と、ぼろぼろになるたびに形を変えていくのですが、毎回、今度は何ができあがるのだろうという期待でわくわくします。
しかも、できあがったものを「どこへいくにも、なにをするにも」着ていくおじいちゃんを見ているうちに、物を大切に使いたい気持ちになります。
また、「はさみでチョキチョキ、ミシンでカタカタ、針でチクチクぬったらば」という、おじいちゃんが仕立て直しをするときにくり返される文は、声に出して読みたくなるほど、リズミカルです。
ところで、おじいちゃんは、若いころ、生まれた国を出て、アメリカにやってきた移民でした。仕立て屋として働き、結婚したおじいちゃんに、子どもが生まれ、その子どもが成長し…… と、家族と歩むおじいちゃんの人生を見ることができるのも魅力です!
にこっとポイント
- ぼろぼろになる度、使える部分を利用し、どんどん形を変えていくおじいちゃんの大切なコートのお話です。イディッシュ語の民謡が元になっています。物を大切に使いたい気持ちになります。
- 裏表紙には、「おじいちゃんのコートのクッキー」の作り方も書かれていますよ!
(にこっと絵本 SATO)