PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本
まじょのデイジー

『まじょのデイジー』植田真、のら書店、2009 amazon

大きな森の奥深く、とんがり屋根の塔には、見習い魔女たちが暮らしています。

見習い魔女たちは、そこで、ほうきで空を飛ぶ練習をしたり、草花で薬をつくったり、立派な魔女になるための勉強をしているのです。

小さな見習い魔女デイジーは、ほうきで飛ぶ練習中に、真っ黒な鳥ズズーに出会います。

「あなた だあれ?」とデイジーが聞くと、「まず、じぶんから なのるもんだろ。ひとが きもちよく ひるねを してたってのに じゃましてさ」と、すごく不機嫌そうな返事が返ってきます。

さて、この後、どのような会話が続いていくのでしょうか?

だれでも いっしゅんで すべてを かえる まほうを もっています

これは、冒頭に書かれていることばです。

私は、このことばに心惹かれ、わくわくしながらページをめくりました。

まだ空はうまく飛べないけれど、天真爛漫なデイジーと、不愛想で友だちのいないズズー。

最初は心を閉ざしていたズズーですが、素直で優しいデイジーに、次第に距離が近づいていきます。

読み終わる頃には、「確かに、誰でも魔法は持っているのかも」と、冒頭のことばを思い出し、明るい気持ちになれる絵本です。

にこっとポイント

  • 魔女見習いのデイジーと、森で出会った黒い鳥ズズーとの友情物語です。その後のデイジーとズズーの物語を、想像してみても、楽しいです。

(にこっと絵本 SATO)

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