「いつかは ね いつかは きっと そうなるんだわ……」
『いつかはきっと…』シャーロット・ゾロトワ文、アーノルド・ローベル絵、矢川澄子訳、ほるぷ出版、1975 amazon
みんながうらやましがるような長い髪の毛になって……。バレエの先生が上手って私をほめてくれて……。野球の試合では、大活躍。それに、いつかかわいいブルドックを飼って仲良しになるの。家の中を探検していたら見たこともない部屋を見つけたり、クリスマスツリーを私の好きなように飾ったりする。
そんな、たくさんの「いつかはきっと」な未来を想像して、女の子の夢は広がります。
ハッピーのもとは「いつかはきっと」
女の子が「いつかは」と夢想する毎日は、とてもハッピーでキラキラしています。
成功している自分、大人たちにほめてもらえる自分。女の子の「こうなりたい!」「こうだったらいいのにな」という姿がこの絵本にはつまっています。
そんな願いは荒唐無稽な夢物語? いいえ、自分さえあきらめなければ「いつかは」なれるかもしれない姿なのです。
そして、それは、子どもだけのお話ではありません。大人になると、ゴールに到達してしまったような気持ちになるときもあるかもしれませんが、いくつになっても大人にも「いつかは」訪れる未来があるのです。
私にも、「いつかはきっと…」と思い描く未来があります。
今は私が世話を焼き、手を引き、抱きかかえる子どもたちと「いつか」肩を並べてお散歩したり、お酒を飲めたりしたら……。「いつか」どんな失敗も、にっこり笑って前向きに過ごせるような落ち着いた人になれたら……。
バタバタした日常を送りながら、ふとそんな風に夢想するのです。
どんな姿でもいいのです。「だけど いまは……」と言いたくなるような現在だとしても、「なりたい私」を胸に秘めていられれば、きっと毎日しっかり歩いていけるのではないでしょうか。
勇気をもらえる、ハッピーな絵本。どうか皆さんにも、いつかはきっと、素敵な未来が訪れますように。
にこっとポイント
- 「いつかはきっと」なりたい自分を見つけることができます。
- 別れ、節目のこの時期に、改めて自分を見つめ、未来を考えるきっかけをくれます。
- かえるくんシリーズで有名な、アーノルド・ローベルのかわいらしい絵柄が素敵です。
- 16×22㎝で持ちやすいサイズなので、お子さんへの読み聞かせにも最適です。
(にこっと絵本 Haru)