「なんだか、ここじゃない気がする……」。今いる環境で、そんなふうに思ったこと、みなさんにもありませんか?
今回の絵本の中でそう思ったのは、なんと「家」なんです。

『歩きだした家』サイモン・ハウ作・絵、椎名かおる訳、あすなろ書房、2026 amazon
ある日、家は、「自分の居場所はここじゃないかもしれない」と思い、よいしょ!と立ち上がって、トコトコと歩きだしました。
「どこか、しっくりくる場所はあるかな?」
良さそうなところを見つけるたびに、試しに「ちょこん」と座ってみる家。けれど…… どこに座ってみても、しっくりこないのです。
そんな家のお散歩を、じーっと見つめている人たちがいました。それは、楽しそうに歌ったり、音楽を奏でたりしながら、長いこと後ろを付いてくる「あるご家族」。
実は、楽しそうなこのご家族も、ずっと探していたのです。自分たちの「本当の居場所」を——。
自分にぴったりの場所を探して旅をつづける家と、そのあとをどこまでも付いていく家族。探していた場所は、いったいどこにあったのでしょうか?
旅の最後、その家族との心あたたまるつながりを通して、家はとっても大切なことに気がつきます。
「あぁ、ここが自分の居場所なんだ」と、心がぽっと温かくなるラストは、読んでいる私たちの胸にも、じんわり優しい灯りをともしてくれます。
オーストラリアからやってきた、ちょっと楽しくて、読むと元気がわいてくる一冊。
「自分の居場所ってどこだろう?」と迷ったとき、ぜひ親子でページをめくってみてくださいね。
にこっとポイント
- 自分だけの「本当の居場所」を探す、冒険の旅を描いた絵本です。
- 「自分らしくいられる場所」は、寄り添う誰かとの絆の中にある。そう気づかせてくれて、大人の心も子どもの心も、ふっと軽くしてくれます。
(にこっと絵本 Haru)









