秋になると、街のあちこちに現れるハロウィンのジャック・オ・ランタン。くり抜かれたかぼちゃの顔は、不気味? ……いえいえ、この絵本に登場するジャックはちょっと違います。

『いたずらジャック』橋本さやか作、つちや書店、2016 amazon
「いたずらするのが だ〜いすき」なジャックは、まわりを困らせる元気ないたずらっ子。その笑っているような空洞の目と口が、なんともコミカルでかわいらしいのです。
でも、みんなは、毎日いたずらばかりするジャックに困っていました。そんなジャックに、女の子が「ジャックのいたずら つまらない」と一言。
ショックを受けたジャックは、「人を困らせるいたずら」ではなく、「みんなを笑顔にするいたずら」を、一生懸命、考えるようになります。その姿からは、相手の気持ちを思いやるやさしさが伝わってきます。
さて、ジャックの思いついた、ハロウィンの日にみんなを喜ばせる、とっておきのいたずらとは?
リズムのある楽しい文章と、コミカルな動きまで想像できてしまう表情豊かなイラストが魅力的です。ハロウィンのきらびやかな夜を楽しむことができ、読み聞かせにもおすすめの1冊となっています。
にこっとポイント
- いたずら好きなジャックは、「人を困らせるいたずら」ではなく、「みんなを笑顔にするいたずら」を考えるようになります。ハロウィンの読み聞かせにおすすめの絵本です。
- ジャックは、いたずら好きだけど憎めない、やんちゃだけどどこか愛らしい、といったキャラクターで、子どもたちも共感しながら読むことができます。
- 作者の橋本さやかさんは、ジュエリーデザイナーを経て、絵画や絵本制作に関わっているという経歴をお持ちです(絵本の著者紹介情報より)。配色やキャラクターのかわいらしさを、ハロウィンの季節感と合わせて味わえます。
(にこっと絵本 Haru)