ちいさなハリネズミが葉っぱの先からこぼれる一滴の水を受け取ろうとしています。どうするのでしょうか。

まいにちがプレゼント

『まいにちがプレゼント』いもとようこ、金の星社、2018 amazon

プレゼント、と聞いて嫌な気持ちになる人はいないかもしれません。むしろ「何をいただけるの?」「何をあげようか?」とワクワクするのではないでしょうか。

表紙のハリネズミは、一滴の水を受け取りました。

その水は、朝、顔を洗うためのものなのかもしれませんし、歯を磨いてうがいをするためのものかもしれません。読んだ方の想像でいろいろなことが考えられます。

朝は誰にでも必ず訪れます。それも新しい朝です。済んでしまった昨日のことを悔いても、それはどうにもなりません。そしてこれからのことを不安に思っても、先のことは誰にもわからないのです。

でもやり直すチャンスは、毎日新しい今日としてやってくるのです。誰にでも。

この絵本の原画を見たことがあります。原画では、絵本になると分からない色合いや、ちぎった紙の繊維を見ることができます。そこからはしみじみと、苦しんだり悩んだりしている一匹の小さなハリネズミの心の中が伝わってきました。

最後のページには心にしみるメッセージが書かれています。

きょうは「今の日」と かきます。

えいごで 今のことを Presentと いうそうです。わたしたちは まいにち あたらしい「今日」をプレゼントされているのかもしれません。

読み終わった後、「よしっ!」という気持ちになりました。

にこっと絵本

  • 文字が少なく、絵がとてもかわいいので、思わず幼い子ども向け、と考えてしまうかもしれませんが、これはまず大人に読んでほしいと思いました。
  • メッセージ性のある絵本なので、おはなし会などで読むのであれば、小学校中学年以上がおすすめです。

 

(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)

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