こちらの絵本『まじょのスーパーマーケット』の主人公は、変装(仮装)して、よそのおうちに行ってお菓子をもらえるハロウィンが「だーいすき!」なヘレンです。

『まじょのスーパーマーケット』スーザン・メドーさく、ひがしはるみやく、フレーベル館、1996 amazon
ヘレンの今年の変装は、魔女。犬のマーサにも、ねこの仮装をさせて街に出ました。
通りで見かけたおばあさんが落としたスーパーマーケットの割引券を届けようと、ヘレンとマーサは後を追いますが、その人が消えたドアの前には、たくさんの貼り紙がしてあったのです。
それは、たとえばこんなふう……。
かんけいしゃいがい たちいりきんし
なにが おきても せきにんは もてません
いぬは おことわり
気味が悪くなったヘレンですが、「ごめんください」とドアを少しだけ開けてみたら、そこはスーパーマーケットでした。
ヘレンは「なあんだ」と、おばあさんを探して中に入ります。
でも、タイトルの通り、そこは魔女のスーパーマーケット。
一見普通のようですが、「水増しミルク」や「イグアナの細切れ」など、よく見るとおかしなものばかり扱っています。
りんごも、「虫なし」「虫入り」「毒りんご」があって、なんと「虫なし」の方が「虫入り」より安いんです。いかにも魔女のスーパーマーケットという感じですよね。
カラフルでにぎやかな雰囲気も、とても楽しい!
ただ、最初は普通のスーパーマーケットだと思っていたヘレンが、ようやく違和感に気づいたころには、危機が迫ってきていて……。
さて、ヘレンとマーサのハロウィンはどうなるのでしょうか?
おおらかでのびのびしたキャラクターのヘレンと、しぶしぶヘレンに付き合っていても頼りになるマーサのコンビはとても魅力的。
魔女たちの「普通」とのギャップもおもしろく、ハロウィンの空気を味わうのにぴったりの絵本です。
にこっとポイント
- 普通の人間の女の子の、ハロウィンの冒険を描いた絵本です。魔女のスーパーマーケットの店内をじっくりお楽しみください。
- ハロウィンの空気や、ちょっとしたスリルが楽しめる年齢のお子さんには、とても人気の絵本です。ただし、ハロウィンの由来や歴史がわかるという内容ではないので、絵本を通してそれらを教えてあげたいという用途には向きません。
(にこっと絵本 高橋真生)









