ダウン症という障害をご存じですか?
ダウン症とは 正式名称を「ダウン症候群」といいます。染色体の突然変異によって起こり、通常、21番目の染色体が1本多くなっている(21トリソミー)のが特徴です。
3月21日は、国連が定めた「世界ダウン症の日」。
この日は、ダウン症のある人たちとその家族、支援者への理解がより一層深まり、ダウン症のある人たちがその人らしく安心して暮らしていけるように、さまざまな啓発のイベントを通して、世界中の人々に訴えていくための日です。
今日は、ダウン症のことを、もっと知ることのできる絵本をご紹介します。
『あいちゃんのひみつ』竹山美奈子取材・文、えがしらみちこ絵、玉井邦夫監修、岩崎書店 2020 amazon
主人公のあいちゃんは、ダウン症です。
特別支援学校から地元の小学校に転校したときに、あいちゃんのママが同級生に手紙を書きました。
どうしてダウン症になるのか。どうして目がつっているのか。
筋肉の力が弱かったり、心臓が弱かったりするんだよ。動きもゆっくりで、できないこともあるかもしれない。
大変なこともたくさんあるけれど、体調に気をつけながらゆっくり挑戦していくと、いろんなことができるようになるんだよ。
それぞれの人に何らかの違いがあるのは、当たり前のこと。
だけど、知る機会がないと、その当たり前のことになかなか気づけず、変に距離をとったり、自分はそうは思っていなくても、結果、差別的なことをしていたりするのです。
この作品は、ダウン症の人にどんなつらさがあって、どんな支援を必要としていて、どう接したらいいかを、小さい子にもわかりやすく表現してくれています。
「障害」は、個人が持つ要因という考えから、周囲の環境との兼ね合いで生じる、生活していく中での不便や不自由さを表すことばに意味合いが変わってきています。
人のこころも、その「環境」の一部。
あなたのこころが、誰かのバリアにならないよう、知ることから始めませんか?
にこっとポイント
- ダウン症の人にどんなつらさがあって、どんな支援を必要としていて、どう接したらいいかを、小さい子にもわかりやすく教えてくれる絵本です。
- 関連書籍として『すずちゃんののうみそ』があります。あわせてこちらもご覧ください。
(にこっと絵本 森實摩利子)