『たいくつなにちようび』MICAO、理論社、2021 amazon
お父さんやお母さんと、遊びに行く約束をしていた日曜日。それがダメになってしまい、がっかりのぼく。
そこに、「あら、つまらないの?」と、突然、知らない女の子が登場します。
「つまらないなら、おもしろくしちゃおうよ!」― 女の子はかぶっていた赤い三角帽子から、裁縫道具とシーツを取り出し、チクチク刺繍をはじめました。
できあがったのは、大きなテントです。
「こんにちは、みなさん!わたしは ステッチです。きょうは、ししゅうの サーカスを たっぷり おたのしみください!」女の子が、集まってきた観客に、挨拶しました。
さあ、ステッチさんの刺繍のサーカス、いったいどんなサーカスになるのでしょうか?
この絵本は、イラストと刺繍を組み合わせで描かれているのですが、ライオンさんや犬くんにうさぎさん等、いろいろな動物が登場して、とても親しみやすいお話になっています。
なんといっても刺繍がかわいく、また、針と糸で生み出した毛糸の絵からは、手づくりのあたたかさも感じます。
完成した刺繍は全てそのまま使うのではなく、サーカスのプログラムが進行する中で、ステッチさんが、刺繍でトラブルに対応するなど、わくわくする展開となっています。
何もないところから、次々といろいろなものをつくり出すステッチさんから、「つまらなかったら、自分で楽しいことをつくり出す」という発想の大切さも感じる絵本です。
にこっとポイント
- 両親と遊べず、つまらないぼくの前に、刺繍が得意なステッチさんが登場する、イラストと刺繍を組み合わせた絵が魅力のおはなしです。
- 表紙に描かれた赤い糸は、裏表紙にも、つながっています!
- 「ざっくざっく」「ツ ツ ツ ツーッ」等、ステッチさんが、刺繍するときの音にも注目です。
(にこっと絵本 SATO)