好敵手― いわゆるライバルというものですが、「実力に過不足のない、ちょうどよい競争相手」という意味になります。
その好敵手と勝負をするのが、この作品、『しょうぶだ!!』。
『しょうぶだ!!』きしらまゆこ作、フレーベル館、2012 amazon
力の弱い牛と、力の強いひつじが腕相撲をします。
力比べで勝てたことのない牛と、負けたことのないひつじ。どちらも、弱すぎて、強すぎて、仲間は相手をしてくれなくなっていたものですから、出会ったときにこう思うのでした。
「いくらなんでも、ひつじには勝てるよね」
「もしかしたら牛に勝てるかも」
腕相撲の勝負は、なかなか決着がつきません。結局、引き分けという結果になりましたが、力を出し切れた牛もひつじも、満足したようです。
こんな調子で、足の遅いうさぎと足の速いかめの、かけっこ勝負。痩せているぶたと太っているリスの、すもう勝負。
さて、結果はどうなるのでしょうか?
ライバルの存在というものは、時にしんどいこともありますが、本当にちょうどのバランスだと、心を動かす強力なモチベーションにも、お互いを高め合うものにもなりますよね。
あなたには、お互いを高め合えるようなライバルはいますか?
にこっとポイント
- 力比べで勝てたことのない牛と、負けたことのないひつじなど、いろいろな好敵手が勝負をする作品です。
- 引き分けとなってしまった彼ら。「何で勝負する?」と悩んでいたところに、ばったりと出会います。よし、みんなで綱引きだ! さて、この結果も読んでみてのお楽しみです。
(にこっと絵本 森實摩利子)