PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本

「おはようございまーす」。旅先の朝、地元の中学生が元気に声をかけてくれました。全く知らない私にも、大きな声であいさつしてくれたのです。

「おはようございます」。私も声を返します。

たった数秒の出会いですが、朝から心がポカポカして、うれしい気持ちになりました。

今回ご紹介するのはこちら、『どんないちにち』。

どんないちにち

『どんないちにち』くすのきしげのり作、たしろちさと絵、廣済堂あかつき、2016 amazon

だれがいちばんに言うのかな? 「おはよう」って言うのかな。

朝、目覚めた男の子が、思います。

窓を開けて外を見ると、お隣のおばあちゃんが「おはよう」。おばあちゃんは、散歩中のおじいちゃんに「おはよう」。牛乳を配達してくれた人に「おはよう」。ねこにも「おはよう」。

こうして「おはよう」が、どんどんつながっていきます。

幼稚園に向かう道では、「にっこり」がつながっていきます。

おはようも、にっこりも、どんどん町中に広がっていく。一日の始まりを喜び、今日という一日がどんなに楽しいかとワクワクする気持ちが、この絵本には満ちています。

同じような日常でも、毎日をこうして新鮮に迎えたいものだなと思うのでした。

にこっとポイント

  • 一日の始まりを喜び、今日という一日がどんなに楽しいかとワクワクする気持ちが、満ちた絵本です。
  • 町中に広がっていく「おはよう」と「にっこり」。書き込まれた風景を一つずつじっくりと見ながら、絵の中のたくさんの「おはよう」と「にっこり」を探してみてください。

(にこっと絵本 森實摩利子)

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