『へんしんねこ』星野イクミ、すずき出版、2014 amazon
壁の穴を通り抜けようとした、黒猫のくろちゃん。「にゃ、にゃ? ぬけない」。それでも、無理矢理抜けようとしたら、なんと身体が伸びてしまいました。
身体が長くなったくろちゃんに、お母さんは、「ちょうどいいわ。ものほしざおに なってちょうだい」。シャツやズボン、タオルなど、身体じゅうに、洗濯物を干されてしまいます。耳には靴下、しっぽにはよだれかけまで、掛けられています。
その後も、滑り台になってと言われたり、ジャングルジムになってと頼まれたり……。その度に、くろちゃんは、いろいろなものに変身します。
私がまず笑ったのが、くろちゃんの身体が伸びる場面。びよーんと、想像を超えた長さになってしまったから、びっくり!
くろちゃんは、この長い身体を使って、言われるがままにいろいろなものに形を変えていきます。「にゃにを させるんだ…」と、最初は迷惑そうなのに、変身していくうちに、だんだんと楽しそうになっていく顔にも注目です。
絵は、濃いピンク色の壁に、緑や黄緑の草木、そして、黒色の猫と、色鮮やかな配色で、とてもわくわくします。
細かいところまで見ると、くろちゃんのそばに、表情豊かなスズメが描かれていたり、くろちゃんの後方で、小さなミミズと2匹のアリがくろちゃんの真似をしていたりと、様々な発見もある絵本です。
あなたはくろちゃんに、どんなものに変身して欲しいですか? 絵本に出てきたもの以外にも、自分で考えてみても楽しいですよ!
にこっとポイント
- ある日、突然、長い身体になった黒猫のくろちゃんが、いろいろなものに変身する物語です。
- 横長の絵本の形をうまく活かして、くろちゃんの長い身体を描いています。表紙と裏表紙を広げると、長い身体のくろちゃんが登場します。
(にこっと絵本 SATO)