こんなお便りをいただきました。
わが家の4歳男子は、内弁慶。家ではうるさいくらいのひょうきん者なのですが、外ではシーンとだまっていて、慣れるまではおとなしい子だと思われるくらいです。あいさつも、お口の中でモゴモゴという感じです。
もうすぐ春、人と会う機会も増えますし、あいさつくらいはできるようにしたいです。自分からあいさつしたくなるような絵本はありますか?
はい! そういうことでしたら、『こんにちワニ』はいかがでしょうか。
『こんにちワニ』(わははは!ことばあそびぶっく)中川ひろたか文、村上康成絵、PHP研究所、1999 amazon
ビビットな黄色に、とぼけた表情のワニ。「お⁉」と幼い子の気をひくような表紙です。
タイトルにもなっている「こんにちワニ」からもわかるように、ごくシンプルなことば遊びの絵本なのですが、こういうものが、子どもたちは大好きです。
この絵本は、見開き一ページにひとつのことばという構成で、たとえば「こんにちワニ」なら、左ページに「こんにち」、右ページに「ワニ」が書かれています。
ですから、ことば遊びだけでなく、絵の変化も楽しめるんですよ。
そうして、おうちで「どうもすいませんぷうき」「ただいまんとひひ」などが流行り出したら、しめたもの。
まずは親しい方へのあいさつに、大人が率先して使ってみてください。「こんにちワニー!」。
お子さんは「えっ、いいの?」とびっくりするかもしれませんが、その後、きっと同じように使ってくれると思います(ニヤニヤしながら!)。
というのも、お子さんがお口の中でモゴモゴしているということは、
- あいさつはした方がいいと思っている。
- あいさつをする意思はある。
- でも、なかなか声にできない。
ということだと思うのです。
そうであれば、緊張というハードルを越えられれば、スルッとあいさつのことばが出てくるのではないでしょうか。
まずは楽しく、気持ちよく! ぜひお試しください。
大人数への読み聞かせにもおすすめ
『こんにちワニ』は、さほど大きくはないのですが、絵も色遣いもはっきりしているので、大人数への読み聞かせにもおすすめです。導入に使われることも多い絵本です。
「いただきます」は「いただき」「マスク」。ゲラゲラ笑いながら「食べられないじゃん!」と突っ込んでもらえると、読み手としては、とてもうれしいものです。
にこっとポイント
- ついつい言ってみたくなることば遊びの絵本です。
- 大人数への読み聞かせにもおすすめです。
(にこっと絵本 高橋真生)