こたつを出しました。こたつといえば、「こたつみかん」です。寒い冬、こたつに入りながらみかんを食べるのは、何とも至福の時です。
こたつは室町時代から、みかんは古事記からあったようですが、ともに一般家庭に普及したのは戦後のこと。同時期に普及したのがテレビということで、こたつに入りながら手軽に食べられる「こたつみかん」が家庭に浸透したようです。
そんな「こたつみかん」の話題も出てくる、みかんの兄妹のお話をご紹介します。『みかんきょうだいのたんけん』。
『みかんきょうだいのたんけん』ホソカワレイコ作、BL出版、2022 amazon
舞台は、深夜のスーパーマーケット。
「もう、こんなせまいところはいやだー!」と、袋を飛び出してしまったお兄ちゃんみかんを、弟みかんがあわてて追いかけます。
袋から飛び出したみかんの兄弟は、夜中の誰もいないお店の中を探検します。見るものすべてが新鮮で、ワクワクとあちこちを探検する兄弟。
あこがれだったチョコレートも、ちゃんとレジを通してからいただきます。
大満足した兄弟は、元のみかん売り場に戻るのでした。
いろんなモノがあふれているスーパーが舞台のこの作品、とにかく、商品の書き込みが細かくてリアルなんです。
昨年出版されたこともあって、お値段や売っている物も、身近にあるスーパーと同じようなので、子どもたちも「見たことがある!」と喜ぶに違いありません。
みかんの目線で見るスーパーの光景― お話も絵も、両方、楽しめる作品です。
にこっとポイント
- みかんの兄弟が、深夜のスーパーマーケットを探検するお話です。
- 自分が見たことのある光景が広がると、大人でも何だかワクワクしてしまうものです。この作品で、お買いものごっこもしてみてください。絵本で楽しんで、実際の生活で体験して、そうして世界を深めていってほしいと思います。
(にこっと絵本 森實摩利子)