表紙には、鼻をつまんでお水を飲む(?)がいこつ。
実は、このがいこつ、朝起きたらしゃっくりが出ていたのを止めようとしているのです。 …… がいこつが、しゃっくり? もう、その設定からしておかしい!
でも、しゃっくりと横隔膜の関係など知らなくても、爆笑必至なのがこちらの絵本『しゃっくりがいこつ』です。
『しゃっくりがいこつ』マージェリー・カイラー作、S.D.シンドラー絵、黒宮純子訳、セーラー出版、2004 amazon
「ヒック ヒック ヒック」と、何をしていてもしゃっくりの止まらないがいこつ。
いつものようにシャワーを浴びて、歯を磨いて、骨のお手入れをしても、しゃっくりが止まる気配はありません。
友だちのおばけと、息を止めたり、お砂糖を食べたりと、「しゃっくりを止める知恵」の数々を試してみても、変わらず「ヒック ヒック ヒック」。
終始ちょっと困った感じのがいこつの表情や、おばけとのかけ合い、それからがいこつの日常が、とても楽しい絵本です。
がいこつならではの「変なこと」が、絵で表現されているのですが、真面目でていねいなテイストとおかしなこととのギャップがコミカルで、自然な笑いを誘います。一緒に子どもたちは、室内の様子やがいこつの愛用品などもチェックして、突っ込んだり吹き出したりもしていました。
「かぼちゃちょうちん」(ジャック・オ・ランタン)を作るシーンもあるので、ハロウィンの前の読み聞かせにもおすすめです。こわくない絵本を探している方には、特にぴったりですよ。
なお、おばけがひらめいた、ある方法で、がいこつのくしゃみはちゃーんと止まります。ご安心ください。
にこっとポイント
- ハロウィンにぴったりの、笑えるがいこつの絵本です。読み聞かせにもおすすめですが、おもしろさは絵にあるので、聞き手からきちんと絵が見えるように気をつけてくださいね。
- ていねいな絵とシックな色合いも魅力の一つ。「飾っておきたい」と大人にも喜ばれるのですが、残念ながら品切れ・重版未定です。図書館などで探してみてください。
(にこっと絵本 高橋真生)