みなさんは、よる、ほんだながどうなっているか ごぞんじですか?
『じつはよるのほんだなは』澤野秋文作、講談社、2014 amazon
じつは、夜の本棚は…… なんと、本の挿絵たちが本から飛び出して、大騒ぎをしているのです。
みんなの見張りの犬張り子のこたろうが寝ている間に、本の中はめちゃめちゃです。
桃太郎が見つからないと思ったら、強い仲間を求めて金太郎をスカウトしていたり、シンデレラが見つからないと思ったら、江戸情緒漂う市場に行ってガラスの靴ならぬ下駄を履いていたり―。
さて、本棚のみんなは無事に朝を迎えることができるのでしょうか。
豪華なコラボ! 賑やかで騒がしい一夜を余すところなく楽しんで
寝ている間に、大好きな本の登場人物やおもちゃたちが動いているとしたら、こんなにウキウキワクワクすることってないですよね。
お話の登場人物たちが、和洋入り混じり、絵本の中いっぱいに右に左に大騒ぎしているのは、まさに豪華なコラボレーション!
忍者や天狗、妖怪、はたまた歌川国芳の描く大骸骨や若冲の描く象など、浮世絵の題材まで発見することもできるので、大人まで「お?」とついつい引き込まれて見入ってしまいます。
金魚に達磨、狐の面。糸綴じ本に巻物に、金平糖の瓶までが所狭しと並ぶ本棚は、まさに宝箱。何だか昭和を思わせるような、懐かしさも感じます。
ぜひ、細かい描き込みまで注目して読んでみてくださいね。
賑やかな面々の大騒ぎの一夜を、じっくりじっくり味わうことができますよ。
にこっとポイント
- ページの隅から隅までドラマがある、子どもも大人も引き込まれてしまう絵本です。
- 開いた絵本が2ページいっぱいに敷き詰められている場面は、圧巻です。「この絵本はこのお話じゃない?」「これは何のお話だろう?」とみんなで盛り上がれること間違いなしです。
- みんなのまとめ役の、ちょっとおっちょこちょいな犬張り子のこたろうもとてもキュートです。そのかわいらしさに、ついつい応援しながら読み進めてしまうはずです。
(にこっと絵本 Haru)