『みんなのおすし』はらぺこめがね作、ポプラ社、2019 amazon
「へい らっしゃい」
ここは、開店したばかりのおすし屋さん。スーツ姿の男の人、母子……と入れ替わり立ち替わりお客さんたちが訪れ、おいしそうにお寿司を食べていますが、そのうち、板前さんまでびっくりしてしまうようなお客さんまでが訪れます。
最後の最後までびっくりな「ネタ」が仕込まれた、驚きいっぱいの、しかけ絵本です。
「食べものと人」をつなぐ絵本の魅力を、じっくり味わいたい!
この絵本の特徴は、板前さんとお客さんの手元を上から覗き込むような画面の構図になっていること。手元だけしか見えていなかったところから、しかけを開くと、お客さんの正体がわかる仕組みになっています。
でも、不思議なのです。手元だけなのにさまざまな小道具や、わずかに描かれたヒントに、想像が膨らんできて、大人まで大盛り上がりで読み進めてしまうのです。
おすしが大好きなわが家の子どもたちも、この絵本をすぐに大好きになりました。そして、おすしを食べるとき、絵本に出てきたネタを口にしてみたりしています。
まさに、「食べものと人」をつなぐ、楽しくて味わい深い絵本。リアルな食べものの描写だけでなく、ラストまでびっくりな秘密としかけで楽しませてくれるこの絵本の魅力を、大人も子どももじっくり味わってみてくださいね。
にこっとポイント
- 最後の最後までびっくりな「ネタ」が仕込まれた、驚きいっぱいの、しかけ絵本です。
- 何気ない見返しの絵にも、物語のヒントがあります。画面の細かなところまで、ぜひ楽しんでみてください。
- 裏表紙に描かれた米粒までも、ついつまんで口に入れてしまいたくなるくらい、リアルに食べものたちが描かれています。「食べものと人」をテーマに描く作者が誘う、おいしそうで、でも摩訶不思議な食べものの世界をぜひ味わってみてください。
(にこっと絵本 Haru)