物の見方は人によって違う― そう、頭ではわかっていても、「見方」が凝り固まってしまうときってあると思うんです。
人と違っていることをおもしろがっていられるような余裕をもちたいのだけど、「これはこういうもの」って決めてしまう方が、物事が早く進んだり、一般的な正しさとされたり…… 現実はなかなかうまくいかないものです。
そして時々、自分で決めた「見方」にとらわれすぎて、身動きが取れなくなることがあります。
こういうときに必要なのは、発想力だったり転換力だったりするのかな。
『りんごかもしれない』ヨシタケシンスケ作、ブロンズ新社、2013 amazon
『りんごかもしれない』に出てくるりんごは、普通のりんごです。
りんごは、果物。赤くて丸くて甘酸っぱくて……。
でもこのりんごを「もしかしたら…」っていう視点で見ると、いろんな想像が膨らみます。
もしかしたら、なにかの卵かもしれない。もしかしたら兄弟がいるのかもしれない。
奇想天外な発想で、物語は進み、そうして気づくのです。
「見方って一つじゃないな」って。
あなたが当たり前だと思っていることが、周りの人にとっての当たり前ではないことがあります。
「見方」の違いって、最初からあるものなんですよね。
もし何か困っていることがあるとしたら、ちょっとユニークな発想で、見方を変えてみてはいかがでしょう?
にこっとポイント
- いろいろな物の見方に気づくことができます。自分の思考のクセにとらわれすぎて、身動きがとれなくなったときにおすすめです。
- 細かく描かれたイラストにご注目! 読み聞かせよりも、側で並んで探しっこしながら読むのが楽しい絵本かもしれません。ぜひ、あなたならではの発想で、「〇〇かもしれない」を見つけてみてください。
(にこっと絵本 森實摩利子)