冬も本番。寒い日が続いています。こんなときは、ほっこりとあたたまりたいものですね。「こころ」も「からだ」もあっためたいときに、私が手に取る一冊をご紹介します。
それは、『だんろのまえで』。
『だんろのまえで』鈴木まもる作・絵、教育画劇、2008 amazon
山の中で道に迷ってしまった「僕」。たどりついたのは大きな木でした。ドアが付いていて、開けると中に誰かいるようです。奥にはだんろが赤々と燃えていて、その周りには暖をとる動物たちがいました。
うさぎは言います。「つかれたらやすめばいいんだ。むりしないで、じっとしていればげんきになるさ」
動物たちとの交流と、だんろの火のぬくもりは、男の子に再び立ち上がるパワーを与えたのでした。
あたたかさというものは、「こころ」にも「からだ」にも元気を与えてくれます。
私も以前、疲れ果て、もう何にも立ち向かえないと思った時期がありました。頑張れば頑張るほど空回りしてあがいていた頃、出会えたこの絵本に、私は救われたのでした。
頑なになっていたこころは、驚くほどにするするとほどけていき、自然と前に進む道が開けた不思議な感じを、今でも覚えています。
もしあなたが、とても疲れていたとしたら、ぜひこの絵本を開いてほしい。あたたかいだんろの前には、あなたのこころもからだもまるごとあたためてくれる、そんな場所が待っています。
にこっとポイント
- 冬。寒い時期、疲れたときにこそ読みたい一冊。自分のために手元に置いておくのもおすすめです。
(にこっと絵本 森實摩利子)