ぼくはかあさんと、かあさんはいもうとと、いもうとはとうさんと手をつなぐ。家族と、日本のいろいろなお仕事をしている人と、世界中の人と、手と手をつなぐ。そして、たくさんの様々な姿をした生きものたちとも。
『てをつなぐ』鈴木まもる作、金の星社、2017 amazon
手をつないで、世界中のみんなとつながったら、きっとみんなが笑顔になるはず。
手をつなぐって、幸せになれること
地球上には、いろいろな手があります。あったかくて柔らかい手、オレンジ色の手袋をした手、がっちりとした手、大きな手、肉球のある手……。
この絵本を読むと、肌の色も、話すことばも、住んでいるところも、姿形までもが違う相手でも、手をつなぐと心まで通じ合うことができるように感じます。
手と手をつないだ輪が世界中に広がっていったら― と、手をつないだ先にいる誰かの幸せまでも願わずにはいられない、うれしい気持ちになる絵本です。
読み聞かせにもおすすめ! 一番の盛り上がりポイントは?
世界に住むすべての人たちの平和について改めて考えたい、東京オリンピック開催の本年・2020年の読み聞かせにもぴったりです。
そこで、読むときの工夫を一つご紹介します。
最後のページ、向かいあった手と手が描かれているところです。「もうすこし もうすこし……」ということばとともに、離れた手と手がつながるように、ゆっくりとめくってみてください。
少しの工夫ですが、皆さんもよりラストのページをより深く味わえるはずです。我が家でも、4歳の娘が「がんばれー!」と、徐々に近づいていく手を応援していました。
にこっとポイント
- 相互理解、まわりの人たちへ目を向けるきっかけになる絵本です。
- 読み聞かせの際に、少し工夫してみると、さらに盛り上がります。
- 今つないでいる手も、ぎゅっと握って思いっきり大切にしたいと感じられる、読んだ後に愛のあふれてくるような絵本です。
(にこっと絵本 Haru)