「かんかんかん」…… 舞台は踏切。ユーモア満載の列車が通ります!
『かんかんかん』のむらさやか文、川本幸制作、塩田正幸写真、福音館書店、2007 amazon
始めにやってきたのは、おいしい食べものたちが乗った列車でした。
「んまん ままん んまん ままん・・・」
あら?! 列車はスプーンやフォーク、ナイフでできてるようです。
先頭車両はポット。湯気がもくもく出ています。乗っているのはとうもろこしやオムレツやスパゲッティ!
列車を形作っている素材の一つ一つが、なによりおもしろいんですよ。えんぴつ・帽子・靴下・瓶のふた、などなど。「あ、こんなの使ってる」と発見するのも楽しいですね。
背景は真っ黒、これにも一工夫あり。どうやら麻袋を真っ黒に塗っているようです。
黒に、色鮮やかな踏切、走り抜けるユーモア満載の列車たち― 色調は鮮やかで立体的な造形が「はっ!」と目を引きますし、写真絵本なのでよりコントラストが際立ちます。
赤ちゃんならばオノマトペの音やリズムを。少し大きくなったお子さまには、踏切に次は何が通過するのかのワクワク感を。もっと大きくなった子には何で作っているのかを見つける楽しさを。たっぷり、味わってくださいね。
2~3歳の年の離れたきょうだいさんも一緒に楽しめること間違いなしですよ。
にこっとポイント
- 列車が通るときの音のように、リズムに合わせてことばを楽しみながら読んではいかがでしょうか? 少し絵本を動かして、列車が進んでいるような雰囲気を出すのもおもしろいですね。
森實摩利子
余談ですが、この前東京旅行のときにいただいた最中。空き箱、かわいすぎて捨てられません。
(にこっと絵本 森實摩利子)