
いろいろなことばのもつイメージを、形や色で表現している作品をご紹介します。『ことばのかたち』。

『ことばのかたち』おーなり由子作、講談社、2013 amazon
もしことばが「花」だったらば
大きくてやわらかい花はどんなことば?
ちいさくてかわいい花はどんなことば?
美しいけれどとげがある
ありふれているけれどうれしい声によって色は変わるのかな?
オレンジ 青 さくらいろ・・・
こんな風に、ことばのもつイメージや、発したときに相手に与えるだろう印象を、形や色で表現しています。
自分の発することばが、心の中の「全部」をピタリと表現しているかというと、そうではないですよね。
上手く伝えられないもどかしさや、思いがけず口走ってしまったことば― 心を表現するのって、本当に難しい。
同じように、相手から投げかけられることばでも、うれしく心を温められたり、つらい気持ちになってしまったりする。素直に聞けることも、必要以上に深読みしてしまうこともあるので、受け取り方次第とも言えます。
話しことばは普段は目には見えません。きっとそれで救われていることがあるのだろうな、と思うのです。

一つ一つのことばの裏にある、本当に伝えたかった気持ちや、まだ形になっていない感情があることを、忘れないでいたいな。そして、適度に敏感でありたいなと思います。
にこっとポイント
- いろいろなことばのもつイメージを、形や色で表現している絵本です。
- 水彩の美しい作品ですにじみがあるところが、さらにことばの奥深さを表してくれているように感じます。
- 手元に置いて、時々取り出して、じっくりと「ことば」について考えたい。プレゼントにもおすすめです。
(にこっと絵本 森實摩利子)









