もし、突然家に大きなサイがやってきたら、どうする?

ダイアナと大きなサイ

『ダイアナと大きなサイ』エドワード・アーディゾーニ作、あべきみこ訳、こぐま社、2001 amazon

ある冬の夕方、お父さんとお母さんと娘のダイアナが、居間でくつろいでいたときのこと。突然ドアがゆっくりと開いて、大きな大きなサイが、頭を突き出したのです。

大人たちは大騒ぎしますが、ダイアナは、ひどい風邪をひいているサイを看病し、通報を受けてやってきたサイを射殺しようとする男たちの前に立ちはだかります。そして、サイと一緒に暮らすことにするのでした。

サイを嫌がり、けれど好奇心は隠し切れずに遠巻きに見ている大人よりも、賢く決断力があり、そしてやさしい「もののわかった子ども」たちとサイ。

サイは口をききませんが、分厚い皮にしわがより、色が白っぽくなるほど年をとっても、ダイアナと散歩を楽しみ、時には何か音たててトーストをおねだりします。

そう、ダイアナとサイは、いつだって、幸せな満ち足りた気持ちで共にいるのです。

サイだからって何なの?怖がったりいきなり殺したりするなんて、そんなのおかしい― 物語を終える頃には、そんなダイアナの気持ちが、少し、理解できる気がします。

 

「分かる」って何なのだろう。 常識や分別や知識が、考えの邪魔をしていないだろうか。 周りに流されてはいないだろうか。

目の前のものをよく見なければ― ダイアナを見ていると背筋がピンと伸びる気がします。

もちろん「もののわかった」読者の子どもたちは、この不思議な物語をそれはそれは楽しく味わいます。

風邪をひいたサイが、もし私の元へやってきたら、「かぜ薬をひとびん、せきどめをふたびん、ねつさましも200つぶ」飲ませてあげたいと思います。もちろん、焼き立てのバター付きトーストの用意も忘れずに、ね!

にこっとポイント

  • ダイアナとサイのお互いを信頼する幸せな姿に、じんわりと心が温まります。
  • 大人として、人としての生き方や考え方を考えされられます。
  • 作者エドワード・アーディゾーニの作品に出てくるのは、頑固なほど自分の思いにまっすぐの「もののわかった子ども」たち。『チムとゆうかんなせんちょうさん』『時計つくりのジョニー』など、あわせてお楽しみください。

(にこっと絵本 高橋真生)

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