あなたの朝が、明るく照らされていますように。
『あさになったのでまどをあけますよ』荒井良二、偕成社、2011年 amazon
絵本を開くと、「あさになったのでまどをあけますよ」ということばと、いろいろな場所のいろいろな朝、窓を開く子どもたちの姿があります。
山に囲まれた小さな村、にぎやかな街。大きな河、砂漠や畑、それから海。風景は様々ですが、いつも同じだからこそここが好き、という子どもたちのことばが響きます。
いつも通りの朝を迎えられる喜び
『あさになったのでまどをあけますよ』は、東日本大震災後に出版されました。東北出身である作者、荒井良二さんは被災地に何度も足を運んだとのこと。そして、震災に関わる人々の思いに触れた絵本『明けない夜はないから』を出版しています。
「やまは やっぱり そこにいて きは やっぱり そこにいる だから ぼくは ここがすき」― 何気なく過ぎていく日常の、いつも通りであるという幸せ。
朝、目覚めて窓を開け、すがすがしい空気を吸って一日を始められる、小さいけれど大切な喜びが、この絵本の中にはあるのです。
私たちはつながっている、という思いをこめて
春には、別れを経て新たなスタートを切ったり、節目を迎えて環境が変わったり、様々な人がいるでしょう。そんな人たちにこそ「きみのまちは はれているかな?」という、離れた人にはせる思いを届けたいと思います。
どんなに遠く離れていても、どんなに暗い夜を過ごしていたとしても、あなたの朝が明るく照らされていますように― 大切な人への思いを込めた贈りものとしてもいいかもしれません。
にこっとポイント
- 一日のスタートをうきうきした気持ちで迎えられます。
- 何気ない毎日を、大切に感じられるようになります。
- 新しいスタートを迎える人へのプレゼントとしてもおすすめです!
(にこっと絵本 Haru)