のどがかわいた男の子が、「なにがでるのか おたのしみ」と表示のある自動販売機を見つけました。
『おたのしみ じどうはんばいき』宮知和代、アリス館、2016 amazon
「いったい なにが でるのかな」自動販売機の「1」のボタンを押すと……、
「いち いち いちご」あまくて、おいしいいちごが、ごろごろとたくさん出てきました。
今度は、「2」のボタンを押してみます。「にん にん にんじゃ」― なんと忍者が、出てきました。
では、「3」は? ボタンを押してみると「さん さん さんた」とサンタさんが、何人も出てきましたよ!
わくわくする工夫いっぱいの自動販売機
縦に長い自動販売機のイメージそのまま、縦開きになっているこの絵本。自動販売機のボタンを押すこと、取り出し口から出てくることを、本物と近い感覚で楽しむことができます。
まず驚くのは、ボタンを押したら出てくる、いちごや忍者やサンタさんの数の多さです。いちごは何個もごろごろ出てくるし、忍者は刀をかまえたり、手裏剣を投げたり、次々と出てくるし、サンタさんにいたっては「こんにちは」「はろー」「ちゃお」等、様々な国の挨拶をしながら何人も出てくるのです。これだけでも、心ひかれますよね。
また、一度登場すると、それで終わりではありません。「3」のボタンを押すページでは、「2」のボタンを押して出てきた忍者が、いちごを食べているところが描かれています。「3」で登場したサンタさんも、その後も、忍者と一緒に描かれていますよ!
「いち いち いちご」「さん さん さんた」など、楽しいことば遊びも魅力的です。数に興味を持ち始めた子どもにも、おすすめです。
思いがけないものが出てくる不思議な自動販売機、みなさんもぜひ一度、ボタンを押してみてください。
にこっとポイント
- 自動販売機の数字ボタンを押すといろいろなものが出てくる、ことば遊び絵本です。
- 自動販売機に描かれた缶の模様が、出てくるもののヒントになっていますよ。
- 子どもの大好きなものがたくさん描かれているので、何度も読みたくなります!
(にこっと絵本 SATO)