7月7日は七夕です。
わが家は大人ばかりなので七夕飾りはしないのですが、街角やスーパーなどで見かけると、色とりどりの飾りと短冊に季節を感じます。
七夕に私が読みたい作品がこちら、『たなばたのねがいごと』。
『たなばたのねがいごと』村中李衣作、えがしらみちこ絵、世界文化社、2018 amazon
ほしのこ保育園で、短冊に願い事を書いています。
「ラジコンカーが欲しい」「新しいゲームをください」
先生は言います。
本当にすてきな願い事は、時間が経っても壊れたりなくなったりしないものなのよ
「こわれたり なくなったり しない もの? じかんがたっても だいじな もの? それって、なんだろう?」
あおいは一生懸命考えます。
お迎えに来てくれたおばあちゃんにも、「時間が経ってもなくならないものってなあに?」と問うのでした。
さて、あおいが見つけた答えとは……?
あおいちゃんのやさしさや思いやりがいっぱい詰まった短冊を読んで、私は涙してしまいました。
そして、時は巡ります。
出会いと別れがある中で、大切な人と今一緒にいられるこの瞬間を、私も大切にしたいと思いました。
七夕の願い事は、空に向けてのまっすぐな誓い
作者の村中李衣さんのことばが素敵なので、ご紹介させてください。
七夕に思い思いに記す願い事とは、その思いをずうっと忘れずに持ち続ける、そのために心や身体を尽くすことを惜しまないという、空に向けてのまっすぐな誓いのことばでもあるように思います。
生まれてからそれほど間がないちいさなひとと、この世を離れるまでの時間がそれほどあるわけでもないおおきなひとが、歩調を合わせて「いち、にい、さん」と歩むことは、人生がまあるく繋がっていること、そのまあるい繋がりの中で慈しみやいたわりが、途切れなく流れていくということではないでしょうか。
読んでくださったみなさんが、それぞれのご家族の中で、愛し愛される優しい関係を育ててくださいますように。
にこっとポイント
- 七夕の願い事についての物語です。先生のことばから、保育園児のあおいちゃんが考えた願い― やさしさや思いやりがいっぱい詰まった短冊に、胸がいっぱいになります。
(にこっと絵本 森實摩利子)