暑いので、涼しいお部屋からボーッと外を眺めていると、いろんな色が目に飛び込んできました。
ひまわりの黄色、カンナのオレンジ、百日紅のピンク、アサガオの紫、ベゴニアの赤。
黄色やオレンジは、夏の日差しみたいで元気な感じ。赤やピンクは、情熱的。紫は冷静さや涼やかさを感じさせるなぁ。
色は、イメージがあるだけでなく、人も連想させます。
あのカンナの色は、いつも元気な〇〇さんみたい。アサガオの紫は、沈着冷静な〇〇さんのよう。
色から受ける印象は、「性格」や「タイプ」といった人の印象にも結びつくと感じたことはありませんか?
みんながいろんな色を持ち、違っているからこそ、いいことっていっぱいあるなぁと思うのです。
『まざっちゃおう!いろいろないろのおはなし』は、色をテーマに、多様性と共生について考えることのできる作品です。
『まざっちゃおう! いろいろないろのおはなし』アリー・チャン作、小栗左多里訳、フレーベル館、2020 amazon
赤、青、黄色の三つの色は、みんな仲良く暮らしていましたが、ある時、「自分の色こそが最高!」と主張し合ったところから、いがみ合いが始まります。
だけどある日、1人の黄色が1人の青と出会い、仲良くなって、混ざることになりました。
そうして誕生したのが「みどり」。
みどりは黄色みたいに明るくて、青みたいに落ち着いて、他にはない自分だけの色だったんです。
それを見た他の色たちもそれぞれが混ざり合い、世界はカラフルになりました。
あたらしい まちは いろとりどり
かんぺきじゃないけれど
ここはさいこうな まちなんだ!
一人一人が自分の個性を大切にし、お互いの違いを尊重しながら自分らしく生きることの大切さを、この作品は子どもにもわかりやすく教えてくれるのです。
にこっとポイント
- 色をテーマに、多様性と共生について考えることのできる作品です。
- 見返しにご注目! はじめの見返しは、赤、黄、青の三色ですが、後ろの見返しは……。お子さんと、自分は何色のイメージかな? お友達はどんな感じ? などとお話しするのも楽しいですね
(にこっと絵本 森實摩利子)