PICK UP! クリスマスの絵本
ちいさいフクロウとクリスマスツリー

『ちいさいフクロウとクリスマスツリー』ジョナ・ウィンター 文、ジャネット・ウィンター 絵、福本友美子 訳、すずき出版、2022  amazon

アメリカの森の大きな木で、小さいフクロウがたった1羽、静かに暮らしていました。

ところがある日、その大きな木が切り倒され、フクロウは木の穴に入ったまま、ニューヨークのど真ん中に運ばれてしまったのです。

実はこちらは、アメリカのニューヨーク州で、本当にあったお話です。

巻末の「作者のあとがき」には、これが2020年11月に起こったこと、大きな木は「トウヒの木」だったということ、フクロウを発見した人やフクロウの世話をした保護センターとその運営者の名前等も書かれているので、この出来事についてより詳しく知ることができます。

満月を背景に、大きな木の上に描かれたフクロウと、キラキラ光る雪や金色のタイトル文字の表紙がとても魅力的で、手に取ったこの絵本。まん丸い目をしたかわいらしいフクロウに、愛情の込められた本だということが、すぐに伝わってきました。

どのページも、枠で囲まれた中に絵が描かれています。

ちいさいフクロウとクリスマスツリー_中ページ

場面によって、見開きの左右のページがつながりのある絵になっていたり、そうでなかったりするのですが、よく見ると、つながりのある絵の場合は、枠の色も同じ色が使われているなど、細かいところまで工夫されています。

さて、小さいフクロウが穴から出てみると、目の前に人間の顔が! その人は、そっと近づきフクロウを手のひらに乗せました。

喉はカラカラ、はらぺこで疲れ切っているフクロウは、無事、森へと帰ることはできるのでしょうか。

作者自身がこのフクロウのニュースに感動したからこそ、絵本になったこのお話。クリスマスの時季に、ぜひ読んでみてください!

にこっとポイント

  • 木の穴に入ったまま、森からニューヨークの街中へ運ばれてしまったフクロウの、本当にあったお話です。
  • 文を書いたジョナ・ウィンターは、絵を描いたジャネット・ウィンターの息子です。
  • 裏表紙に描かれた箱の中からまっすぐに見つめるフクロウの絵も、素敵です!

(にこっと絵本 SATO)

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