もうすぐクリスマス。10人の小さな天使たちが、人々のところへ舞い降りて、そっと助けの手をさしのべます。
『クリスマスのてんし』エルゼ・ヴェンツ–ヴィエトール作・絵、さいとうひさこ訳、徳間書店、2009 amazon
『クリスマスのてんし』は、セピアのページとカラーのページのくり返しで、めくっていくと歌う天使の顔が増えていくしかけになっています。最後には、まるで10人の天使のすきとおるような歌声が響いてくるよう。
クリスマスイブの夜に、人々の心にぽっと優しさの火を灯すような、贈り物にもおすすめの絵本です。
天使が心に舞いおりる― あたたかな気持ちで迎えるクリスマス
クリスマス。皆さんにとってこの日はどのような日でしょうか。
たくさんの人たちが待ち望み、ウキウキした気持ちで迎える日。プレゼントをもらえておいしいごちそうが並ぶハッピーな日、でしょうか。
この絵本で、天使たちはさまざまな人のところへ舞いおります。おなかをすかせた動物たち、冷たい風の吹く中で泣いている子、針仕事に疲れて眠っている子、クリスマスの願いごとのお手紙を届けてほしい子。はたまた重い袋を背負ってふうふう言っているサンタさんにまで、天使は手を差し伸べます。
わたしだったら、どんなことをしてあげられるだろう。
天使たちのひとつひとつの行いを見ていると、自然とこのような気持ちが湧き上がってきます。
特別、立派なことはしなくてもいい。でも、少しだけ、わたしが何か手をさしのべることで、温かな気持ちになる人がいたらいいな。
絵本を読んでいると、まるで、天使たちが私たちの心に舞いおりてくるような気持ちになります。
与えてもらうばかりではない、まわりの人の幸せを願い手を差し伸べる奉仕の心を、この絵本から知ることができます。「誰かの幸せのために、ひとつ何か勇気を出してやってみたい」そんな気持ちにさせてくれる、素敵な絵本です。
にこっとポイント
- 人々の心にぽっと優しさの火を灯してくれる、贈り物にもおすすめのクリスマスの絵本です。
- 1ページめくるごとに、歌う天使の顔が増えていくしかけになっています。最後には、裏表紙に開いている窓から、歌う10人の天使をのぞけるしかけも楽しめます。
- カバー折り返し部分は、メッセージカードになっており、大切な人へのプレゼントにも最適です。
(にこっと絵本 Haru)